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夏みかんMCN!!〜Hosshiのつぶやき

”箱の中のミカンが一つ腐り始めると、他のミカンも腐ってしまう。腐ったミカンは早く取り除かなければならない”

 

「辛いことがあって、あちこちぶつかっていれば、そりゃどこか腐ってくる。だが私たちはミカンを作ってるのではない。人間を作っているのだ!人間の精神が腐るということは絶対ない!!(3年B組金八先生より)

 

こんにちは。Hosshiです。 😯 

 

 

今回はいきなり金八先生の名言から入っちゃいました。

 

 

前回IPMNのわかりづらい部分を僕なりに述べましたが、

 

今回はMCNについてのべようかと思います。 

 

 

僕の中のMCNのイメージ・・・それは夏ミカンです。

 

このフレーズが頭に残りすぎてそれ以外はあまり頭に入ってないんじゃないかって感じでした。

 

 

なぜ冬みかんじゃなくて夏みかんなんだ・・って感じですよね。

 

 

そもそも夏みかんって冬みかんより大型で皮が厚いんですよね。あと酸っぱい。

 

隔壁があついってことで、ただの「みかん様」ではなく、「夏みかん様」として表現してくれた先人の思いが現れているわけですよ。すごい!

 

 

僕は冬ミカンの方がすきですが。笑 

 

ま、どうでもいいんですけど。。。

 

 

そもそも

 

MCN(Mucinous cystic neoplasm)=粘液性嚢胞腫瘍

 

粘液性=粘液をつくるってことですね。ただIPMNみたいに膵管内とかは書いてないんで基本的には膵管と交通してないです(ただ膵管に侵食する場合は交通してしまうらしい)

 

 

嚢胞=そもそも嚢胞と軟組織内に病的に形成された液状成分を持ち、液状成分周囲を固有の単層上皮に覆われている球状の嚢状物を指す…

まあ、分泌液が袋状にたまってる病態ですね。 

 

 

腫瘍=自立的な異常増殖をする細胞の集まりです。 

 

 

夏みかん的な厚い隔壁をもっていて、嚢胞状になっていて中は粘液でみたされている勝手に増殖するやつってことですね。

 

 

このMCN・・・女性に好発で、膵体尾部に多いことで有名ですよね。 

 

山雄らの報告によると 98.1%は女性、99.4%で膵体尾部に局在していたとかいてあります。
(Yamao K,Pancreas 2011; 40: 67―71.)

 

物事にはすべて理由があります。

 

 

よく論文に書いてあるのはエストロゲン受容体があって、だから女性にできやすい〜なんたらかんたらって書いてますが、なぜ膵尾部にできやすいかということです。 

 

 

発生学・・学生の時にやりましたが覚えるの結構辛い思い出がありました。

 

 

ただその膵臓の発生学に答えがあるみたいです。

 

 

膵臓ってそもそも発生の段階で、腹側膵(腹側の膵臓:のちに膵頭部)背側膵(背中側の膵臓:のちに膵体尾部)というのが回転しながら二つ合わさってひとつの膵臓になるみたいです。

 

 

宇宙ステーションとかがドッキングするイメージです。ガシャン的な。

 

 

その過程で二つ合わさる時にミスることがあるみたいでよく知られているのが以下の疾患です。

 

1.膵低形成
2.膵体尾部欠損症
3.膵管癒合不全
4.輪状膵
5.膵胆管合流異常
6.異所性膵
7.膵内副脾

 

ここでは詳しく述べませんが、大体なんとなくイメージつく感じですよね。

 

 

ガシャンがちゃんとうまく行かなかったりし欠損していたりするイメージです。

 

 

その発生の段階の時なんですが・・

 

 

左原始生殖腺と 背側膵原器が胎生 4~5 週には近接していて,

その際に異所性卵巣が迷入することが

MCNの由来みたいです。 

 

これすごくないですか?笑

 

少しテンション上がりました。 

 

 

原始生殖腺と背側膵が近いために卵巣紛れ込んでくる
その結果、女性がほとんどで、体尾部がほとんどみたいです。

 

すげー。 😯 

 

 

卵巣様の組織が紛れ込んでくるわけで、膵管と基本的に交通していないのも納得できますね。

 

 

MCNがエストロゲン受容体が陽性になることが多いとというのもよく知られていることですが、
エストロゲンはそもそも腫瘍等を増殖させる作用もあるので、癌化しやすいっていうのもなんか納得できます。 

 

 

また婦人科領域での異所性卵巣について調べてみたら、腸管後腹膜腎臓などに発生する場合もあるみたいです。 

 

 

停留精巣が悪性化しやすいというのは有名ですが、本来あるべきところにある臓器が違うところに行った時は癌化しやすいということなのでしょうか。。。 

 

 

MCN悪性化しやすいので。
患者さん等の背景等にもよりますが基本的には外科切除が推奨されています。

 

 

ただ論文によっては壁在結節がある場合は悪性化リスクがあるので切除するって書いてる場合もありました。

 

 

冒頭でもありましたが、

 

「箱の中のミカンが一つ腐り始めると、他のミカンも腐ってしまう。腐ったミカンは早く取り除かなければならない」

 

「辛いことがあって、あちこちぶつかっていれば、そりゃどこか腐ってくる。だが私たちはミカンを作ってるのではない。人間を作っているのだ!人間の精神が腐るということは絶対ない!!」

 

 

これをEUSチャンネル的に言い換えると・・

 

「MCNは基本的には、早くとりのぞかなければならない・・・」

 

「卵巣が発生の段階で紛れ込んでしまって、炎症やエストロゲンの影響をうけていれば、そりゃあ癌化もしてしまう・・・ただ私たちはその患者さんを総合的にみてMCNを切除するかしどうかを決めているのだ、疾患だけをみているわけではない!!」

 

 

というのにおきかえれますね。(だいぶ強引ですが笑) 

 

 

なんとなくちょっとだけ以前よりMCNが好きになった気がします。

 

 

夏みかんMCN!!(MCN=まじでコロナ舐めたらあかん!)

 

 

夏にはコロナ収束できる様に皆さんがんばりましょう!

SCNを魚卵(ぎょらん)で例えてみた〜Hosshiのつぶやき〜に続く

 

 

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