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【研修医・学会発表】スライド作成から受賞のための教育と戦略

【研修医・学会発表】スライド作成から受賞のための教育と戦略

研修医A先生
学会発表とかしてみたいっす。
しゅん
そういえばこの前すごく珍しい患者さんを一緒にみたね、この人の症例報告をしようか!!
研修医A先生
なにからはじめればいいですか?
しゅん
このチェックリストをみて順番に一緒につくってみよう!悩むことがあればすぐLINEしてね。

研修医A先生と、はじめての地方会!学会発表のための教育と戦略

今回のテーマははじめて地方会で学会発表をするA先生との記録です。

 

せっかくがんばるなら目指すのは新人賞です。

私が何人かの研修医指導を行ってきて幸運にも数人の研修医の先生が新人賞を受賞することができました!

そのときの発表準備や指導内容、学会賞の受賞に必要な要素をまとめました。

どこまで自分で準備してもらうのか?
学会発表のための資料の検索方法は?
まずおおまかなスケジュールから確認しましょう。

学会発表までのスケジュール

①データ集め:発表前準備のチェックリスト参照
     ↓
②スライド作成:作法があります。悩まない、すぐ相談が基本
     ↓
③予演会:予行演習の日程のチェックが必要、それまでにスライドは完成させます。
     ↓
④質疑応答作成:Google scholorで文献集めましょう
     ↓
⑤発表本番:スーツ、発表データを忘れずに
     ↓
⑥打ち上げ:あるかも!?指導医に確認必要

 

①発表前の準備チェックリスト

□1. データセンターで画像を集める 所見は印刷する
あとでどれを使うかわからないので出来る限り多く出しておく。依頼の際にIDなど個人情報は消してもらう。
MRIは抜けてることがあるのでCD‐ROMもらったら確認しておく。EUS、ERCP、エコー、MRI、PET、CTすべていります。

2. 動画があれば集める

動画は静止画の取り出しに必要であることがあります。発表の肝になることがあります。動画があると映えます。

□3. 病理画像 集める。所見は印刷

まずはプレパラートを病理部にもらいにいきましょう。そして、病理担当の先生にアポイントをとり、
USBを持参し、発表に必要な写真を撮ってもらうことが大切です。

4. スライド作成

ユニバーサルデザインで作りましょう。ユニバーサルデザインというのはだれもが見やすいデザインです。
下記の書籍を参考にされてもいいと思います。一冊は購入して損はないです。

 

□5. 質疑応答 想定質問リスト
ケースレポートを集めましょう。Google scholorで検索!Google scholorは文献管理もできるのでぜひ使いこなしてくださいね。
(病院で医中誌に契約していればこれをつかうのもひとつです。)

□6. 想定質問リストを作成する

 

□7. 指導医との連絡はこまめにとる

トータル10回程度はあってミーティング、適宜修正する必要がある。10回くらいは会えるように予定を指導医と相談しておく

完成度がすごく低くても気にせず持っていって一緒に直して行く。
発表にはお作法があるので初めての人が1人で完成させるのは不可能である。

研修医の先生が悩むところは基本的には指導医なら瞬時に解決できる案件であることが多い。
よって出来てなくても見せに行くのが大事。自分一人で悩む時間をできるだけへらすのがポイント。

悩む所はリストアップする。五分悩んだら指導医かshunにLINEする。

 

②スライド作成のコツ  研修医の先生と相談しておくこと

□1. スライド作成

ユニバーサルデザインで、つくる。スライドの雰囲気は、伝わるデザインを参照

□2. 文字の途中など変なところで改行しない 
変なところで改行するとみに
くくなります。
(↑こういうのやめましょう)

3. 原色は目が疲れるのでなるべく使わない

真っ黒よりも少し、黒を落とすとみやすくなります。

真っ黒ではない、一つ黒よりうすい黒にしてくださいね。

□4. なるべく説明文を入れて読めるスライドにする

特に練習してみて読みにくいスライドは、文章いれる。

□5. フォントは統一する
フォントは好みですが、統一すべきでしょう。いろいろなフォントをまぜてはいけません。

□6. タイトル帯をいれる
これもユニバーサルデザインです。なんのスライドなのかひと目でわかるようにします。

□7.【】はタイトルにはつかわない
これ→【】ちょっとださいです。過剰な強調。

□8. 一つのスライドには一つのメッセージ
一スライドに伝えたいことはひとつにしましょう。

□9. 動画やみせたい画像が多い場合は黒背景
CTなどは黒背景の方が見やすいときがあります。白背景だとせまく見えます。

□10. 画像を貼る場合最大限大きくする
よくCTなどをはるとき余白を大きくとっている人がいますが、これはいまいちです。
あなたの発表を評価してくれる先生は若くて、目がいい人ばかりではありません。見せたいポイントをしっかり大きくとることも大切です。
大切なのは聞き手の気持ちを考えることです。

□11. 発表時間をきいておく
たいてい5分程度です。超大作はかたれません。事前に確認しましょう。

③予行演習のための準備

□1. スライドは完成しておく
一応予行演習までに完成させておくことがマナーです。たくさんのスタッフの時間をもらっていることは意識しましょう。他科ローテーション中の場合、
発表時間や順番などを同期とも相談しておくことも大切です。

□2. 読み原稿はあってもOKですが、時間ははかって練習しておきましょう。
たまに5分の発表で予行演習で10分くらい話している人がいます。ボリューム調整は事前にしておきましょう。

□3. 質疑応答対策と改善案の提案:ノートを持っていきアドバイスをメモ
予行演習で質問されていることが本番にきかれることもあります。しっかりメモしましょう。
改善案についても、いくつか言われることがあります。メモしましょう。

 

④質疑応答対策と練習 

これは非常に大切です。

「質問されたけどあたまがいっぱいになってこたえられなかった。緊張して何をきかれているのかよくわからなかった。」
最高のできのスライドをつくったものの、最後で失敗した。こんな経験を私達もなんども経験しました。
トレイニーの先生の緊張を限界まで取り除くため、shunはいろいろ工夫しています。

 

□1. Google scholorで関連する文献をたくさん集めておく。
想定外の質問への対処法は、想定内になるまで勉強して、たくさんの経験をすることが大切です。
他のケースレポートをしっかり読み込んで自分がその症例を経験したかのように知識を吸収してください。
ケースレポートの患者を自分の患者と思って読めばいいかもしれません。
類似のケースレポートはGoogle scholor、医中誌で検索。

□2. あらゆる角度から、様々な言い方、言い換えで質問されることを検討しておく
同じことをきかれているのですが、想定と違う聞き方をされることはあります。


□3. ワードやメモ帳で想定質問リストを作る
ジャンル別につくる。一つの答えに対して複数の質問をつくる。


□4.
 答え方も加点対象である:答え方のテンプレ
できるだけ膨らませてかっこよく。その場の盛り上がりも加点対象である。シンプルに答えない。たくさん質問出来ないようにする。
「ご質問ありがとうございます」→「まずシンプルに質問に対して答える」→「理由を説明する」


□5. 聞き方を工夫する:ノートを持っていき、された質問をメモする。
耳だけでなく目でも質問を見ると答えやすくなります。そしてまじめにみえるので評価があがります。
緊張していると、パフォーマンスが下がります。

 

⑤発表本番と、発表のために大切なこと

前日まで

□1. アニメーションなどにこだわりすぎない
アニメーションをさわりはじめるときりがありません。最小限にしましょう。

□2. 読み原稿、発表者ツールは基本的には使わない。使っている人はほとんどいません。
読み原稿などを読むと、臨場感がへります。読んでいる内容と画面がずれることがあるので使わないようにしましょう。

□3. 時間を測定しながら、声に出して通す練習を10回程度は行う。
実はこれがもっとも大切です。声に出して練習することが、発表の極意です。
どれだけ緊張していても練習通り話を始めると緊張がだんだんほぐれてきます。
何年たってもこれをshunは大切にしています。

□4. 学会ホームページを数日前までにしっかり確認しておく
COI(利益相反)の書類、学会費の免除の書類などがホームページにあることがあります。当日でもどうにかなることも多いですが、
会場までのアクセス、まわりの駐車場なども確認しましょう。当日は遅く行くと駐車場はとめれないこともあります。
駐車場探して30分くらいかかることも、、、(電車が無難ですね。)

 

 

発表当日

□1. 会場に出かける前に持ち物や服装を確認する
発表データはUSBにいれておく、COI文書を確認する。基本スーツです。私服の人はいません。

□2. 会場には早めについておく
近隣の駐車場はすぐにいっぱいになります。車で行く場合は注意ください。発表するために発表者登録が必要です。
トイレの場所なども確認が必要です。

□3. 緊張をほぐすために、質問しておく
マイクテストを別の演者でしてみましょう。自分の発表より前の人の発表で質問すると少し緊張がほぐれます。
一番最初であれば、後は最前列に指導医にすわってもらい、指導医を相手に発表すれば少しましかもしれません。

□4. 自分の発表が終わっても退室しない
座長によっては自分のがおわってすぐ去ると心象がわるくなります。最後まで人の話をききましょう。
可能ならば質問もしましょう。心象がよくなります。

□5. 授賞式をみにいく(当日に授賞式がある場合)
授賞式が当日の場合、発表時にいないと点数が高くとも、受賞できないことがあります!
shunは受賞者が会場におらず、賞を取り消された現場を目撃したことがあります。

 

まとめ

研修医の先生の発表は一生に一度のイベントです。思い出に残る1日になるでしょう。
準備の段階で今後のスケジュールや事前におさえるべきポイントをしっかりと伝えてることが大切です。

 

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