こんにちはHosshiです
今回はだいぶ久しぶりの投稿すぎて2年間くらい空いていたんではないかと錯覚するほどです。
この記事を更新してない間、自分でいうのもなんですが・・・
以前より格段にEUS上達してます
ワンピースで頂上戦争後にばらばらになった麦わらの一味が、パワーアップして最集結するときの感じに似てますね。
(3D✖️→2Y みたいな・・最近一巻からまたワンピース読んでいてちょうどその辺だったので引用しました。ご了承ください)
まったくの初心者だったぼくが月1−2回の指導で(最近もう少しおおめ)
スクリーニングはもちろんのこと・・・
指導下ですが、FNAやEUS下ドレナージ等の手技ができるところまで成長できているのは
SHUN先生の熱い指導によるものであり、感謝してもしつくせない毎日をおくっております。
鬼滅の刃も遊郭編がはじまるので、そろそろ僕も派手に記事を再開したいって感じで投稿します。
そんな中、胆嚢polypの観察している時に全然見どころがわかってなかったので、ここで記事にしたいと思います。
胆嚢ポリープ・・・そう普段の診療でめっちゃいるが・・10㎜こえると手術だね・・ということしかわかってない奴。
そんな奴です。
そもそも胆嚢で隆起性病変をつくるものってどんなのがあるんだろうということですが、
上記種類があります
コレステロールポリープ:
粘膜上皮下のコレステロールエステルを貪食した組織球が集簇し
上皮の増殖を伴い膨張してポリープになったもの。
多発することが多くて小さいものが多い。
数㎜では球形・大きいものでは桑実状・細い茎をもつIpを呈する 大半はこれ!!
腺腫:
単発が多くコレステロールポリープに比べて太い茎をもつIp~Is型を呈し、
表面は比較的平滑な丈の低い大きめの結節が集合した脳回状を呈するもの。
おおきくなると癌になるポテンシャルあり。
過形性ポリープ:
桑実状を呈する5㎜以上程度の有茎性病変で10㎜以上はまれ
炎症性(繊維性)・肉芽ポリープ:
いずれも数パーセントと稀で、多発例がおおく、胆嚢炎などの炎症にともなって生じるやつ
胆嚢腺筋腫症:
これは・・・僕が以前のべた〜胆嚢についてのべてみる〜という過去記事参照お願いします。
(胆嚢に思いを馳せる(胆嚢腺筋腫症メインに)〜Hosshiのつぶやき〜)
ほぼほぼ大きさしか見所がわかってない僕に
今回もSHUN先生の熱い指導がありました
ポリープが癌かどうかを判断する場合
胃や大腸は表面のPitPatternなどが直接みれるのでわりと理解しやすいんですが、
胆嚢の場合は直接みれないのでエコー画面で判断するしかないんですよね。
ということはエコー画像が命。
そしてEUSは胆嚢を詳細に描出できる点でかなり有用なのではないでしょうか。
今回胆嚢ポリープをしっかり見極めるというコンセプトのもとに
しっておくポイントを幾つかにまとめました。
①胆嚢癌は転移し易いという心構え
②胆嚢ポリープが癌になり得る大きさ
③胆嚢をだせるかどうか
④肝床部側か対側か
⑤広基性か有茎性か
⑥外層高エコーはたもたれているかどうか
①胆嚢癌は転移し易いという心構え
EUSをする前の心構えとして、頭の中に胆嚢癌は転移し易いというイメージをもって
見逃さないという心構えが必要ということを述べておきます。
以前の記事(胆嚢に思いを馳せる(胆嚢腺筋腫症メインに)〜Hosshiのつぶやき〜)
でものべましたが
胆嚢は他の消化管と異なり組織学的に粘膜筋板を欠き,
固有筋層も非常に薄く粗なために癌は容易に漿膜下層に浸潤します。
また胆嚢の漿膜下層には血管やリンパ管 が豊富に存在するため,
ひとたび癌が浸潤するとリン パ行性や血行性転移を来たしやすいという特徴があるのです。
胆嚢は複雑な蠕動を必要としないので、
粘膜筋板を欠いており、RokitanskyーAschoff洞があるのは. 筋版がないから粘膜が潜り込んでいくっていうイメージでした。
胃や大腸などのESD等やっていてもわかるんですが、
粘膜筋版ってフラッシュナイフで切り込むときにけっこうしっかりしているイメージなんですよね。
それがないってことは、用意に深いところまで行き、けっこう浸潤しやすいんだなというイメージがあります。
胆嚢ポリープなめたらいかんぜよって感じです。
②胆嚢ポリープが癌になり得る大きさ
胆嚢ポリープにおける癌の頻度に関して
5㎜以下で4.6% 6㎜~10㎜で9.3% に対し
11~15mmでは24.1% 16~20mmでは62.1%と
癌の頻度が急に高くなるという報告があります
7)土屋幸浩ら 隆起性病変(最大径 20mm 以下)503 症例の集計 成績―大きさ別疾患頻度と大きさ別癌深達 度―.日本消化器病学会雑誌 83 ; 2086―2087 : 1986
やはり10㎜こえてくるとやばいという認識をもたなければならないということですね。
また急に増大するポリープもリスクですので、そちらの意識が大事だと言えます。
③そもそも胆嚢をだせるかどうか
次に胆嚢の描出に関してですが・・・
胆嚢の描出は胃内捜査では初学者でも簡単に描出できる最初の優しい面と
球部操作で描出がむずかしく最後のボスキャラの面としての顔をもってます。
胆嚢の描出には
①胃内操作では肝臓のS3の先端までスコープをすすめて右回転とフルアップアングル
②球部操作では肝門部付近で左回転+スコープの引き(左回転70%・右回転30%)で描出されます。
スクリーニングをやる際にはこれらをきちんと描出できることが重要です。
僕もまだまだですが最近は球部操作でも総胆管から追っていって、ほぼ胆嚢を描出できるようになりました。
ただまだまだスムーズさがたりないので、SHUN先生のようにスマート&スムーズに描出できるように日々修行します!
④肝床部側か対側か
これは胆嚢癌が浸潤しやすいということにもよるんですが
肝床部側に癌が接している場合には、肝切除まで含めた手術を検討する場合もあるので
こちらの記載も重要ということです。
また胆嚢の方向についてですが
球部操作で胆嚢の描出をする際は
総胆管を肝門部側へ追いかけていき、胆嚢管を描出してから胆嚢をだすので
画面左側が主に胆嚢頸部で右側が胆嚢底部側ということが多いです。
この胆嚢の位置関係をより意識し始めたのは、この間SHUN先生の指導の下、はじめてEUSーGBDを行ったときです。
その際EUSーGBDについてのM田先生の記事をよませていただいて
急性胆嚢炎に対する EUS-GBD ~処置のコツと将来展望~
頸部側から穿刺を行い底部方向へガイドワイヤーを誘導するという方法が記載されていて
そんなところまで考えるのか・・・と印象深くかなり勉強になりました。
エコー画面をみるだけで、
頭の中で臓器の位置関係を構築して3D的にイメージできるようになれるようになるまで経験を積みたいと思います!!
⑤有茎性か広基性か
コレステロールポリープは小さいものは球状で表面平滑であり、5㎜をこえてくるものでは
糸状の茎を伴って(細い茎!!)桑実状で高輝度の点状エコーが集簇した多重エコーを呈します。
一方、腺腫等の腫瘍性病変は茎が太くなる傾向で、
密で均一な実質エコーを呈することが一般的です。
太い茎のポリープは要注意と思っていた方が良さそうです。
④外層高エコーはたもたれているかどうか
そもそも胆嚢は
エコー画面では内側の低エコー層と外側 の高エコー層の 2 層に描出されます。
内側低エコー層には粘膜,粘膜固有筋層および漿膜下層の線維層が含まれ,
外側高エコー層には漿膜下層の脂肪層および漿膜が含まれます
この外層高エコーがたもたれているかどうかについては
EUSによる壁進達度診断基準というものがありそれを参考にします。
Type A:有茎性で胆嚢壁層構造に異常を 認めないもの
Type B:広基性で外側高エコー層に異常を認めないもの
Type C:広基性で外側高エコー層が不整非薄化しているもの
Type D:広基性で外側高エコー層が断裂しているもの
US, EUSによる胆嚢癌に深達度診断 洞口淳ら 胆道 23巻4号 698−702(2009)
以上のことをまとめると
EUS で有茎性である場合,茎が太いか細いかを確認。
病変が広基性の場合はとくに注意して、
病変部の外側高エコー層に変化が生じているか否かで深達度診断を行い.
外側高エコー層に不整がみられる場合には漿膜下浸潤が考えられる ということになります。
以上、胆嚢ポリープについてみるべきポイントを述べました。
人間もポリープも芯となる茎根っこの部分が重要ってことですね(たぶん)。
僕も煉獄さんのようにスジの通った炎柱に、宇髄さんのように派手に生きれる音柱になれるように日々修行していきます。
今後もちょこちょこ記事アップしますのでよろしくお願いいたします
By Hosshi