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【徹底解説】EUS-FNAのコツ -安全で正確な穿刺と診断能を上げる工夫

投稿日:2018年10月11日 更新日:

コンベックス型超音波内視鏡(EUS)トレーニング法 ・描出のコツ:一覧

超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)

EUSーFNAとは、

EUS-FNA: EUSguided fine needle aspiration 超音波内視鏡下穿刺吸引術:腫瘍などを針で刺して細胞を採取する手技

のことです。

 

最近FNBという言葉もちらほらでてきておりますが、

EUS-FNB:EUSguided fine needle biopsy 超音波内視鏡下穿刺生検術:FNAとFNBはしていることは同じです。針を刺して腫瘍細胞をとる手技です。

手技は同一ですが、針の違いで名称が変わります。

FNAをマスターするとあなたの消化器内科医としてのブランド力が高まります。

FNAをマスターすることは、消化器内科医としての幅を広げるだけではなく、あなたのブランド力を高めることにも繋がります。

EUS-FNAは保険点数が

平成30年から4000点から4800点にアップしています。
上部内視鏡の加算、生検加算を加えると合計点数も6250点と高額です。

 

さらに、EUS-FNA入院は在院日数の算定が可能です!

かつて大腸ポリペク・EMRが在院日数の評価が可能で見かけ上の在院日数を改善させることができていましたが、現在は使用不可能となりました、、、

 

これにとってかわるのが EUSFNA入院です。

 

各病床の空きベッドを埋めることができ、病院としても空きベッドによる機会損失を改善するだけでなく、

在院日数を低下させることで病院機能評価も向上致します。

EUS入院をふやせば増やすほど在院日数が急激に減っていくんです。

病院からみても非常に魅力的な手技であることがわかりますね。

 

EUS-FNAをマスターされたならば、あなたの消化器内科医としての価値(ブランド力)を大きく上がるのは間違いありません。

 

 EUS FNAは、狙ったところに穿刺、組織をとる。

 

シンプルな手技ですが、すべてのEUSインターベンションの基礎であり、1st stepとなりますのできっちりマスターしていただきたいと思います。

 

FNAは難しそう、刺すのは怖いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
このページでは安全な穿刺と正確に穿刺するコツについて解説していきたいと思います。

 

トレイニーのFNAのお悩み

まずは、トレイニーのお悩みから考えていきます。

①穿刺中に針がぬけてしまう。

②針が狙ったところに刺さらない。

③針が刺さらず、胃粘膜表面をすべってしまう(刺さらない、すべる)。

④有効な検体がとれない。

上記の問題をよくお聞きします。

エキスパートとの違いは、大きくわけて穿刺針のコントロール(外筒と内筒)、穿刺速度の2点です。

EUS-FNAの手順

①穿刺対象はプローブの6時方向にもってくる。呼気終末の息をはききった時にベストの穿刺ラインになるように画面を調節する。(呼吸を読みましょう。ベストの穿刺ラインは腫瘍の中をなるべく長くさせるポイントです。)

②外筒を5mm程度進めて、ある程度の方向付けをする。ドップラーで穿刺ラインに介在血管がないことを確認して、内筒(針)で腫瘍の表面薄皮一枚を穿刺する。(外筒と針で少し穿刺することで方向付けがされて滑りにくくなります。)

③穿刺可能な深さまでの穿刺ラインの長さを測定する。(測定した距離以上にささなければ安全です)

④吸引ボタンは押しっぱなしで空気を抜く(視野が確保されます)。

⑤外筒のロック、内筒のロックがしっかりかかっていることを確認する(これがゆるいと深く刺さりすぎて大変なことになる)。

⑥測定した長さ分だけ素早く穿刺する(ゆっくり刺すと呼吸の影響をうけるためスパッと刺しましょう親指と人指ゆびの2本のみで針をつかみ手首のスナップを使うのがコツです)。

⑦穿刺できたら、陰圧をかける:吸引10ml or slow pull or吸引なし

⑧ゆっくりとぎりぎりまで針をひき、素早く穿刺を15-20回繰り返す。(この時すばやく針を引いたり、大きく引くと針が抜けやすい。穿刺がなれるまではゆっくり小さく引く。)

⑨穿刺が終了したら陰圧のシリンジを解除してから内筒(針)を抜き、次に外筒を収納して抜去する。(陰圧シリンジを先に解除しないと胃液が流入します)

⑩穿刺部位を内視鏡的およびエコーで確認し出血がないことを確認して処置終了。(止血確認はエコーと内視鏡両方でしておきましょう)

実況付きはコチラ(中身は同じです)

その他のFNAのコツ

各種の陰圧法の工夫

①吸引あり(空気による陰圧):10mlシリンジで吸引する。組織量が多いが、変性することがある。また多血性腫瘍では、血液検体が混じりやすい。

Slowpull techniqueゆっくりと介助者にスタイレットを引いてもらい、その間にストロークする方法。微小な陰圧で、血液の混入や、変性が少ない検体採取ができる。中井らは、40%血液の混入が減少し、診断能が22%も向上したと報告している(Slowpull technique:引用文献)。

Wet suction technique(WEST):針を流体で満たすことにより検体が通過する抵抗が落ちるため、検体採取率が向上するという理論です。スタイレットは抜いてしまい、生食で穿刺針内部を満たしておく。また10mlのシリンジに3ml程度水を満たしたものを穿刺針に装着して、間欠的に穿刺時に陰圧をかける。通常のAirによる吸引法よりも10%程度診断能が向上するとのこと。(Wet suction technique:引用文献)

④吸引なし:血液が組織検体と混じりすぎて診断かま困難なケースがあります。多血性腫瘍の場合などは、吸引なしでもいいでしょう。

穿刺のテクニック

Door-knocking methodドアをノックするようにカチンと音がなるスピードで刺す。検体採取率は少し上昇したようですがあまり正診率は向上しなかったようです。(Door-knocking method:引用文献

Fanning techniqueファンとは扇のこと。ファニングテクニックとは、腫瘍内で扇操作を行い穿刺ラインを適宜変更し検体採取率をアップする技術。アップ・ダウンアングルと鉗子起立の上下で穿刺ラインをかえる。同一部位からの穿刺だけだと壊死領域などを採取してしまう可能性があり、有効な検体がとれないこともある。(Fanning technique:引用文献)

針の選択

EZshot3(olympus社):EZshot3の22GですべてのFNAは問題ないといっても過言ではありません(視認性、耐久性、操作性すべて素晴らしく良い)。施設で導入する際に1本だけ針を選べるとしたらこの針が推奨されます。

第1の特徴はその鋭さにあり、既存の針の追随を許しません。あまりにも先端が鋭いため穿刺した感覚は、豆腐やゼリーをお箸で刺しているような感覚でいつのまに刺さったかわからないこともあります。(深く穿刺しすぎないように注意してください)

第2の特徴は、耐久性にあり、何回穿刺しても曲がりません。複数回穿刺すると既存の針では曲がってくることがあり、狙いと徐々にずれてしまうことがありますが。材質には形状保持力が強いナイチノールが採用されており、非常に耐久性にすぐれています。

EZshot3は19Gもあります。太い針は免疫染色が必要な時などは良い適応ですが、下行部などの病変は針の可動性が低く穿刺が難しいといわれています。インターベンションは多くは針の内部に0.025inchのワイヤーが挿入できるため、この針が使用されます。

25GEZ shot3も最近発売されました!!

25G針は細いので偶発症のリスクが少なくトレイニーが実施する時に有用です。特に介在血管がありそうな時、小病変、明らかな膵癌など癌の有無のみをみる時には25G針は良い適応です。しかし、検体量が少ないことも多く免疫染色が必要な時にはある程度の検体量が必要なので、免疫染色を目的とする時は22G以上を使用しましょう。


Acquire(Boston scientific社):
検体量がしっかりとれます。先端が特徴的な形態(トライデントのように3つの針が先端についている)をしており、しっかりと組織を獲得できます。検体採取において非常に良い針ですが硬い腫瘍に対しては技術(穿刺速度と表面穿刺など)が必要です。

アクワイヤーでコンスタントにしっかりとFNAを実施することができればFNAの技術は一人前といってもいいかもしれません。

アクワイヤー穿刺のコツは、
①外筒を出しすぎない。
②表面穿刺する。
③上下ロックを確認してスピーディに刺す。

特別なことではなく、基本に忠実にするだけです。昔からEUSFNAをされている方はみな当たり前にされていることですが、

最近の針の進歩により穿刺針が非常に鋭くなったため、適当に刺しても刺さってしまいます、、、

この針はそういう意味で、きちんとしたFNAのトレーニング、指導に向いているという医師も当院のスタッフにはいます。

トレイニーの指導にもちいるにも最適の穿刺針かもしれません。

欠点としては、針のボタンが少し壊れやすいですが、やさしくあつかえばこわれません。やさしくしてあげてくださいね。

 

 FNAトレーニング方法

EUS-FNAの導入に関しては二人法がおすすめです。

EUS-FNAは、スコープ片手で維持しながら、もう片方の手で穿刺するという2つの動作を一人で行わねばなりません。二人法とは、EUSの経験が少ないトレイニーでは同時に2つの動作をこなすのが大変なので、一人がスコープを保持し、もう一人が穿刺に集中する方法です。

この方法によりトレイニーがFNAを担当することで、ゆっくり引いてすばやく穿刺する感覚がみにつきます。針が抜けてしまう可能性があるため、トレイナーが複数回穿刺してから2人法に移行したほうがよいと思います。

まずは、10例程度二人法で針の穿刺感と、穿刺までの手順をマスターし、胃内穿刺→球部穿刺→下行部穿刺の順に処置を行っていくと安全にEUSがマスターできます。

FNAを中止すべき時 偶発症とその対応

①血液がシリンジ内に返ってきた時:血管を穿刺している可能性があります。

多くは問題ありませんが、動脈より静脈系の方が出血が遷延することがあります。特に球部では穿刺しすぎた時に門脈に刺さることがあったり、腫瘍表面にGDAが介在していることがあり、血管に悩まされることも多いです。穿刺ラインの変更を検討しましょう。この時内視鏡画面でも拍動して出血しているようなら、クリップなども有用であることもあります。エコー画面でも出血が多い場合は血腫が低エコー域として確認できます。血腫ができるくらい出血しているときはFNAは、中止した方が無難だと思います。Angioが必要になることはまずありません。保存的加療でほぼ軽快することが多いです。

②膵液がシリンジ内に返ってきた時:膵管を穿刺している可能性があります。

膵管穿刺は膵炎のリスクです。透明な膵液が返ってきたら検査は中止しましょう。検査翌日の採血でAMYを測定し、上昇していれば膵炎を疑いCTを撮影しましょう。保存的加療でほとんど軽快します。小さな腫瘍の時や自己免疫性膵炎の生検の際に特に発症リスクは高い印象です。膵管の位置はいつも気にしておきましょう。

③消化管穿孔してしまった時。

FNA自体で大きな穴があくことはありませんが、FNA針をスコープ内に留置しているとスコープの硬さが増します(特に19G)。また新品のスコープも同様に硬いです。このようにスコープ全体のコシが強くなりすぎてしまう状況では、球部や下行部への挿入が非常に難しくなり無理やり挿入すると穿孔します。対処法は針を一旦すべて抜くことで、穿刺する部位に到達してから針を再挿入してください。患者をインターベンションで伏臥位にしている時は、側臥位にして挿入してください。伏臥位も挿入困難のリスクです。

穿孔時の対応は、緊急手術で穿孔部位を塞ぐことになります。十二指腸の穿孔は放置すると、胆汁と膵液が腸管外に漏れ続け、腹膜炎で高確率で患者は急変します。

クリップやOTSCなどの技術もあればいいかもしれませんが、EUSスコープは太いため大きな穴が空いていることが多いこと、球部や下行部の視野は狭く難しいことが多いです。内科的にはまずNGtubeを挿入して間欠的吸引で胃液を吸引しておきましょう。

まとめ

EUS-FNAは、手順をしっかり覚える事が大切です。2人法から練習しFNAの穿刺感覚を学んだ後に一人で実践してみましょう。また、穿刺針をチャネルに入れているとスコープが固くなり穿孔のリスクがあがることを知っておきましょう。

 

 

FNAをマスターしたら次はインターベンションです!!

>>EUS下嚢胞ドレナージ(EUS-CD)のコツと落とし穴、EUSインターベンションに共通する極意

>>EUS-CDSマニュアル はじめてのEUS-BDを安全に実施するためのコツ

 

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あわせてよみたい

 1.胆膵内視鏡の診断・治療の基本手技 第3版

私達のバイブルです。EUS-FNAと病理診断について(P.99-P.110)まですごく丁寧に解説されています。

 2.胆膵EUSセミナー

EUSFNAの基本と応用、困難症例への対処法(P.250-P.273)までEUS-FNAがしっかり解説されています。

3.世界一やさしいコンベックスEUSの教科書|shun @超音波内視鏡医|note(ノート)

Shun作成のテキストです。このページにないコンテンツを多数収録しています。
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