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EUSハンズオンセミナーを受ける前に知っておくべき3つのこと

コンベックス型超音波内視鏡(EUS)トレーニング法 ・描出のコツ:メニュー一覧

待ってください!!そのハンズオン受けに行く前にこの記事だけ読んでから行ってください。損はさせません。

 

数回最新のコンベックスEUSハンズオンモデルをトレイナーとして触らせていただく機会がありました。指導中にトレイニーとのコミュニケーションの中で思ったことや感じたことをまとめました。

ハンズオン実施前にハンズオンモデルの地図、操作方法やモデルの利点や欠点を理解し、そして何を目的とすればより教育効率が上がるのか、どうすれば実際にEUSが上手くなるのかを解説します。

ハンズオンモデルの取り扱い説明書

①ハンズオンモデルの地図

最新のモデルは、実際にこんな感じです。臓器の位置関係などかなり精密に作られていて素晴らしい出来です。

②ハンズオンモデルの手順についての説明書

①大動脈の描出
55センチくらいまでカメラを進めて右回転するとCAとSMAが描出される。これがまずスタートになる。

②膵臓の描出
スコープをSMAが見えるビューでプッシュしていくと膵体部が描出される。スコープに抵抗があるときは少しダウンをする。

③膵管を6時に持ってくる
プッシュあるいはプル操作にて、膵管を6時に持ってくる。

④左腎の描出
膵管を6時にキープして右回転していけば、左腎が膵臓の画面下側に出てくる。スコープが空中に浮いている場合、距離が遠くて腎臓が見えない場合があるのでアップして近づく必要がある。

⑤膵尾部(脾臓)の描出
しっかりと6時方向に膵管をキープしながら右回転をかけていくと脾臓が見える。この時に少しずつカメラから膵臓が離れてしまうのでしっかりアップアングルをかけていく。膵臓とプローブの距離が一定になるようにアップアングルを調整する。

膵尾部と脾臓が同時に見えたことが確認されることにより膵最尾側まで見えたということが出来る。

⑥膵尾部から膵頭部までスキャンする。
次は膵管を、6時にキープしながら膵頭部まで戻って行く。膵臓から体部に戻る時にアップアングルが強くかかりすぎているので優しく戻していきながら頭部方向へとスコープを進める。膵管を常に6時にキープと、左回転で頭部方向へすすめる。

レベル別コース 

レベル1 上記の①-⑥

レベル2乳頭で膵管を6時に乗り換えて胆管から肝臓まで見る。肝臓まで行ったら、門脈を6時に乗り換えて膵臓に戻る。

レベル3総胆管から分岐している胆嚢管を追って胆嚢内に入る。

トレーニング方法(案)

まずトレーナーとトレーニーが二人でカメラを持って
頭部から尾部まで膵管を追うトレーニングをする。
その後トレーニーに3-5往復自分でしてもらう。膵管を見失わずに往復できたらOK!慣れてきたり、レベルに応じて総胆管や胆嚢管から胆嚢を追ってもらう。

評価方法

モデルが上手にできることでは無く、EUSができることが最終目標。
1.6時にキープできた
膵管を常に6時にキープすることを意識できる。
2.適切な圧着ができた
プローブと粘膜面が常に接着している。
3.ゆっくり動かせた
動きが早すぎない。1と2が維持できる。
1-3に、関してアドバイスなしで出来れば2点、アドバイスありでできれば1点、できなければ0点とする。

4.見失った回数
迷子になった回数を書く。回数がハンズオンを重ねて行くと減って行くことが理想。
=日常診療でも管腔を見失って迷子になる率が下がる。

③モデルのメリット・デメリット

「メリット」

①管腔をフォローして行き、見たい臓器を見るという2DのEUS学習ができる。=chasing method
chasing methodの、
1.6時キープする ○
2.適切な圧着 △
3.ゆっくり動かす○
モデルでは、1.3の学習効果が高い。

chasing methodの詳細はchasing methodと、EUS上達に必要な3つのスキルで解説しています。

②膵管を6時にキープすると膵臓を頭部から尾部まで追えるというEUSの技術がわかる。

③このモデルでしっかりと6時にキープして、膵頭部から尾部まで複数回往復できるだけの力があれば、実際に人に実施する時でも管腔を見失って迷子になる可能性が減る。

④人間ではないので何分でもトレーニングできる。

「デメリット」

①内視鏡画面がないため、胃のどの辺りにカメラをあてて臓器を描出するという3Dの描出ができない。

②空気がないため、適切な圧着による描出が身につきにくい。
実際の人であればプローブと胃粘膜が接着していないと空気がプローブとの間に介在してしまい、エコー画面は描出ができない。
このモデルでは胃に水が満たされているため、プローブの圧着が無くても膵臓が見えてしまう。

③実際の解剖と完全に一致するわけではない。力の加え方などが人とは異なる。
板橋モデルは、実際の人体と同様に超精密に作られているためEUSの経験者には、脈管や臓器が非常にただしいことが経験的に理解できる。しかし、EUSの経験が少ない初心者は、大動脈、膵臓を見ても、よくわからない。

④ドップラーが乗らないので管腔か血管かを直感的に判断できない。追いかけてみて大動脈とつながれば動脈、肝臓に入れば門脈など。

⑤生体ではアップしすぎると管腔や臓器が潰れてしまうがこのモデルでは臓器が変形しない。圧着が強すぎる為に管腔が潰れて見失うという体験を感じにくい。

まとめ

ハンズオン実施前にハンズオンモデルの地図を見て、操作方法やモデルの利点や欠点を学習し、本質的なEUSの動きである6時に管腔をキープして各臓器を描出するという動きをマスターすることがEUSモデルおよびハンズオンセミナーの目的です。

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