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違いを生み出す消化器内視鏡―静岡がんセンターの奥義、すべて教えます
本日のブックレビューはこの1冊
「違いを生み出す消化器内視鏡―静岡がんセンターの奥義、すべて教えます」
Before
この本を読むまでの私は、胆膵領域のことばかりを考えていて他の領域の最先端の部分には目をむけていませんでした。
また内視鏡指導も技術や知識中心で、こころがまえなどのマインドは十分に伝えることができていなかったと思います。
熟読ポイント
本書にはプロフェッショナルとしてのありかたが、圧倒的な熱量でつづられています。
正直私は胆膵疾患のパートが読みたくて購入しました。
しかしながら、本書には
プロの内視鏡医として持っておくべきマインド、チームのあり方といった
全消化器内科医にとって必要なカメラを握る前に大事な心がけから、
どうやって美しく写真を取るか、どうやって1例でも多くの腫瘍を発見するのか、そしてそれをどう記録していくか。という基礎的な技術
そして、各種ESDの奥義からERCP、EUS−BDまで盛りだくさんの一冊です。
手技のみならず学会発表、臨床試験の計画から論文作成までもがっつり解説されています。
すべての手技をやりたいオールラウンダーに有用な1冊ですが、
私のような胆膵特化のOTAKUにも他の領域の最先端の考え方は非常に刺激的で参考になるものばかりでした。
この本を読んで得られるもの
内視鏡になれはじめた3年目以降くらいのすべての先生におすすめの一冊です。
単なる技術本でなく、一流の内視鏡医に必要なマインドもたくさんこめられており、
さらに、施設としてのクオリティ向上のヒントもたくさんつまっています。
例えば、肝門部胆管癌のマッピング生検のポイントを術式別にすべて答えてください、
Stent in stentで難渋したときの対策5個答えてください。
このレベルの知識がでさっと出てくる人には必要のない本かもしれません。
まあそんな人はごく少数だと思います、、、
本書を熟読し、活用していただけますと、
上記のような問いにもさっと答えられるようになります。
あなた自身の知識や技術だけでなく、指導力も上がり、施設全体の内視鏡の質が向上します。
ためになる極意と奥義がたくさんの愛情とともこめられた珠玉の一冊です。