論文を書いてみたい、でも英語はいきなりは厳しい。そんなあなたにはまず日本消化器内視鏡学会誌への投稿はいかがでしょうか?
目次
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日本消化器内視鏡学会誌 投稿規定 一部抜粋
2020年4月15日 改訂
I. 投稿論文
投稿原稿の著者(共著者を含む)は本学会会員に限る。病理学的所見が論文内容に重要な役割を果たす場合には論文作成に関与した病理医を共著者に加えること。その場合、当該病理医の本学会会員資格の有無は問わない。同様に、生物統計家が研究に貢献した場合には、本学会会員資格がなくとも共著者に加えて差し支えない。また、共同研究を行った研究者(非医師)が非学会員の場合も同様とする。
投稿原稿の内容は、ヘルシンキ宣言を遵守し、倫理上の問題がなく内視鏡学の進歩に寄与するもので、他誌に未発表のものに限る。なお、投稿に際しては、共著者を含めた全員の連名で倫理委員会の承認を得ている、あるいは不要である旨(不要である場合には理由を明記すること)と、二重投稿でない旨を記した誓約書を提出すること。
誓約書は、日本消化器内視鏡学会のオンライン投稿用ウェブサイトからダウンロードし、記入後、投稿原稿等をウェブサイトにアップロードする際、併せて提出すること。
II. 投稿形式
- 投稿原稿は消化器内視鏡関連領域の原著、総説、症例、経験、新しい手技・処置具・機器、注目の画像、Video Communication、Letter to the Editor、資料などとする。
- 介入を伴う臨床研究を実施し報告しようとする場合には、厚生労働省告示の「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に基づき、登録された臨床研究計画の内容が公開されているデータベース(国立大学附属病院長会議、財団法人日本医薬情報センター及び社団法人日本医師会が設置したもの)に当該研究に係る臨床研究計画を登録することを原則とする。
- 総説
文献レビュー(システマティックレビューが望ましい)を中心とし、その分野の現状を公平に紹介する内容のものとすること。文献は適切な検索方法を用いて過不足なく引用する。著者は単著が望ましい。 - 注目の画像
①珍しい画像、②時にみられるものであるが、呈示に値するすぐれた画像、③古典的な病変であるが教育的価値のあるきれいな画像所見などを示す症例について、内視鏡像、X線像、病理組織像その他の画像を4点以内で呈示し、その解説を別に4頁(1,600字)以内で加えたものである。 - 新しい手技・処置具・機器
新たに工夫した手技・処置具・機器などについての使用経験を図表と併せて8頁(3,200字)以内にまとめたものである。新規に工夫、開発された点が明確にわかる図表と、臨床的な有用性がわかるデータの提示が必要である。 - Video Communication
動画での提示が特に有用な症例や手技などの報告を受付ける。
1)動画:全体を1本の動画として作成し、これを視聴することで内容がすべて把握できるように構成すること。症例の特定につながるような情報およびプライバシーにかかわる情報等は削除する。VideoCommunication(テンプレート)を使用すること。 1 つのビデオクリップの長さは5 分以内、全体の動画の長さは10 分以内で、ファイル合計サイズは50MB 以下とする。 また、ファイル形式はmp4 とすること。ビデオクリップのcaption(見出し)(例:ビデオクリップ1:●●●の方法)とlegend(説明文)、図表がある場合もcaption(見出し)とlegend(説明文)を付加したうえで、動画中に配置すること。
2)原稿:雑誌掲載用に以下の要領で原稿を用意すること。①タイトル、②著者(共著も含め3 名以内)、③内容を簡潔に説明する解説文(800 字以内)、④文献(5 編以内)をまとめること。 - 症例報告などの作成に当っては、個人情報の保護に充分配慮すること。写真や臨床検査および画像情報に含まれる番号など、直接個人の特定につながる情報の収載を避けること。また、日付、地域、他の受診医療機関および診療科など、他の情報と照合することで個人の特定可能な情報の収載についても充分留意すること。詳しくは、本学会の「症例報告を含む医学論文及び学会研究会発表における患者プライバシー保護に関する指針」を参照のこと。
⭐️投稿形式別の条件
原稿の 総頁数※1 |
著者名 | 要旨 | Key word※2 | 図表 | 英文 要旨 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
⭐️原著 | 30頁以内 | – | 400字以内 | 10語以内 | 15点以内 | 400語以内 |
症例 | 15頁以内 | 10名以内 | 300字以内 | 10語以内 | 10点以内 | 300語以内 |
⭐️注目の 画像 |
4頁以内 | 3名以内 | – | – | 4点以内 | – |
新しい手技 処置具・機器 |
図表と併せ て8頁以内 |
3名以内 | – | 3語以内 | 4点以内 | – |
⭐️Video Communication |
2頁以内※3 |
3名以内 | – | – | 2点以内 (組み写真不可) |
– |
※1 Word A4判20×20字(Word「原稿用紙設定」“罫線白色” 20×20字)で1頁400文字つめとし、段落間は空けすぎない。
原稿の総頁数には、文献を含む。タイトル頁(著者名等含む)、要旨、図表、英文要旨は含まない。
※ 2 日本語,英語を含める。
※ 3 Video Communication のみ文献は総頁数に含めない。
- 原著:本文は緒言→対象・方法→成績(結果)→考察→結論→文献の順で示す。
- 症例:本文は緒言→症例→考察→結語→文献の順で示す。
要旨は本文の前に。英文要旨は文献の後ろに記載する。
要旨の字数、英文要旨の語数にタイトルは含まない。 - Key wordは論文が検索にかかるように内容に即した適切なものを選択すること。
- 図表枚数は単写真、単表の枚数とする。組写真は、構成されている写真の枚数でカウントすること。
- 論文要旨
原著:研究の「背景・目的」「方法」「結果」「結論」の順に項目を立て、簡潔に指定字数以内で記述すること。
症例報告及び経験:この報告で何を示したいのかを明記すること。
英文要旨も各々同様の形式で記述すること。 - 新しい手技・処置・器具:図表は1点を1頁として扱う。
III. 投稿データの仕様
- 投稿データは以下の通り作成すること。
ファイル形式 原稿形式 原稿の向き 論文Word A4判 タテ20×20字 タテ 動画mp4 適切な解像度 正しい天地で 図JPEG 適切な解像度 正しい天地で PNG 適切な解像度 正しい天地で PowerPoint A4判、画面に合わせる(4:3) タテ/ヨコ、正しい天地で 表Excel A4判 タテ PowerPoint A4判 タテ/ヨコ - 医学用語は、本学会用語委員会の定めた用語を用いること、また日本医学会の用語辞典に準ずることが望ましい。(消化器内視鏡用語集・日本医学会 医学用語辞典)
- 一般化している医学用語は原則として日本語を用いる(例:erosion→びらん)。また外国の人名、地名、および化学用語などは原語を用い、一般化したものはカタカナで記載すること。
- 略語を用いる場合は、初出の際に必ずfull spellingを示す事。ただし、別表に掲げる用語については、一般化した医学用語のため省略、ならびにタイトルでの使用を可とする。
- 文献検索に関しては検索の方法、検索に用いたキーワード、および検索期間を本文中に明記すること。
- 動画:論文を説明する手段として必要に応じてビデオクリップを加えることができる。
本文中に関連するビデオクリップがあることを記載すること(例:ビデオクリップ1)。
仕様については下記の条件を満たすこと。
なお、ビデオクリップは1ファイル1点とカウントされる。- 点数:Video Communication以外の各論文については3点以内とし、各論文の図表点数内に含まれる。Video Communicationは、「Ⅱ.投稿形式7」を参照のこと。
- ファイルサイズ:1論文のビデオクリップの合計サイズは50MB以下とすること。
- ビデオサイズ:Webでの閲覧に耐えうるもの。
- ファイル形式:Windows、Mac、Android、iOSで再生可能なmp4で作成する。
- 時間:1論文合計5分以内とし、1ファイルあたりの時間は定めない。ビデオのポイントが読者にわかるように要点を絞った構成を心がけること。
- その他:他者の著作権および肖像権等の権利を侵害しないものとし、目隠し、匿名化等、必要な画像処理を行うこと。
- 図はFigure、表はTableとし、それぞれ、順に算用数字を付すこと。また、単なるcaption(見出し)だけではなくlegend(説明文)を書き添えること。図の作成にあたり、画像については、白黒、カラーいずれも、300dpi以上の画像データをアップロードすること(PowerPointを使用する場合、指定解像度以上の画像データを用いて作成の上、1頁に1Figureずつ貼り付け、論文に掲載する図全体を1ファイルにまとめてアップロードすること)。なお、組写真を掲載する場合は、希望する配置で作成の上、投稿すること。
- 組織像について、アップロード容量は1ファイル20MB以下とすること。
- 画像は論文データ(Wordファイル)には貼付しないこと。
- 場合により、病理組織標本の提出を求める事がある。
- 画像内に用いる印字書体はMSゴシック体もしくはMS明朝体に統一すること。
- 複数の表をExcelで作成する場合は、1tableを1シートとして作成し、論文掲載の表全体を1のファイルにまとめてアップロードすること。表は掲載時に本学会で書式を統一する。
- 投稿前にはアップロードした論文・図・表の体裁をPDFにて確認すること。
IV. 文献
- 雑誌の場合は、引用番号、著者名、論文題名、雑誌名、西暦年号、巻、頁(初~終)の順に記す.単行本の場合は、引用番号、著者名、論文題名、書名、版、巻、編者名、発行所、発行地、西暦年号、頁(初~終)の順に記す。Web掲載の場合は、雑誌名、DOI、公開日を記す。
- 引用番号は初出順に右肩に上付きで「1)」と付す。
- 著者名は3名までを記載し、4名以上は“ほか”、“et al”とする。
- 雑誌名の略号については、邦文の場合は日本医学図書館協会編「日本医学雑誌略号表」により、外国文献は、Index Medicusの記載方法による(なお本誌の略号はGastroenterol Endoscである)。
- 引用・転載許諾が必要な場合は、著者の責任において投稿前に許諾を取得すること。
<引用例>
- Horaguchi J,Fujita N,Noda Y et al.Endosonography-guided biliary drainage in cases with difficult transpapillary en-doscopic biliary drainage.Dig Endosc 2009;21:239-44.
- 荒川廣志、貝瀬 満、田尻久雄ほか.上部消化管内視鏡検査時のミダゾラムによる意識下鎮静法の有効性と安全性―フルニトラゼパムとの比較検討―.Gastroenterol Endosc 2010;52:231-9.
- Hamilton SR,Vogelstein B,Kudo S et al.Carcinoma of the colon and rectum.Pathology and Genetics of Tumours of the Digestive System.Eds Hamilton SR,Aaltonen LA.IARCPress,Lyon,2000;105-19.
- 堀田欣一、小山恒男、友利彰寿ほか.胃ESDの偶発症―出血.食道・胃ESDの基本手技.小山恒男編、メジカルビュー社、東京、2007;207-10.
- Chen JJ, Wang X-M, Liu X-Q et al. Risk factors for post-ERCP pancreatitis: a systematic review of clinical trials with a large sample size in the past 10 years. Eur J Med Res Publication Date: 15 May 2014; DOI: 10.1186/2047-783X-19-26.
V. 投稿方法
- 論文の投稿は日本消化器内視鏡学会のオンライン投稿用ウェブサイトから行う。
- システムログイン後、システムのフォームに従い入力すること。
- オンライン投稿審査システム(Editorial Manager)の推奨環境についての最新情報は,以下のサポートサイトを確認すること。
https://www.editorialmanager.jp/#faq - 投稿論文に関する連絡はE-Mailで行われる。
VI. 論文の採否
- 投稿論文の採否は、原則として2 名の査読者と1名の編集委員による査読及び、本編集委員会の審査を経て決定する。
なお、査読者は本学会評議員の中から選任された委員とする。 - 本誌に掲載された論文の著作権は本学会に帰属する。
- 採用された投稿論文については、論文中から内視鏡画像等をImage of the Monthに転載することがある。
- 原著論文のうち、特に優れたものについては英文誌Digestive Endoscopy への掲載を推薦する。
論文の英文化にあたり、著者の希望があれば学会が費用及び負担を担う。
なお、和文誌にもsecond publicationとして日本語論文が掲載される。 - Video Communicationのうち、特に優れたものについては英文誌Digestive Endoscopy のVideo Articlesへの掲載を推薦する。
英文化にあたり、著者の希望があれば学会が費用及び負担を担う。英文誌の掲載料については学会が負担する。
なお、和文誌にもsecond publication として日本語で掲載される。 - 掲載論文は日本消化器内視鏡学会学会賞の選考対象となる。 また、受賞論文は優れた論文の周知を目的として、 非会員も閲覧できるようフリーアクセスとし、 学会ホームページに案内を掲載する。
[ 担当役員 ] 藤田 直孝(委員長)
[ 編集委員 ] 蘆田 玲子・阿部 展次・岡 志郎・岡庭 信司
小野 尚子・貝瀬 満・河上 洋・斎藤 豊・杉本 光繁・炭山 和毅
中村 昌太郎・新井 冨生(外部委員)・口羽 文(外部委員)
掲載料のお知らせ
Gastroenterological Endoscopy(日本消化器内視鏡学会雑誌) 投稿掲載料は下記のようになります。 多数の論文のご投稿をお願い申し上げます。
論文1頁 3,000円(税抜)
カラー写真1点 4,000円(税抜) (価格改定2017年度(3月号(59.03))より)
(※原著論文は掲載料を無料とします。ただしカラー写真は有料。)
2016年1月号(58.01)より学会雑誌の完全Web化により、別刷の制作は、大村印刷株式会社に委託することとなりましたので、ご不明点等がございましたら直接下記連絡先の委託会社までご連絡をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
消化器内視鏡学会論文投稿への戦略と得られるもの
◎原著論文とVideo communicationは内容がよければ英文誌に昇格できる可能性があるので出す価値も高い。
◎注目の画像は⭐️投稿形式別の条件でみると作業量が少ないが専門医や指導医のポイントは同じ。
◎共著の人数も重要です。原著は共著の人数制限がないことから論文数が少ない施設であれば原著論文をかくと施設の指導医獲得に貢献できる可能性が高そうです。
△症例報告はabstractで英語300語が必要なので初めから英文で他の雑誌に登録した方がいいかもしれない,,, 英文誌の症例報告は300語程度で投稿可能な雑誌も多いため。
ここで指導医申請の条件をみてみます。
指導医申請 下記の①~⑤をすべて満たしていること
①「Ⅰ出席・Ⅱ講演・Ⅲ論文」の総合計点数が5年間で80点以上
②「Ⅰ出席・Ⅱ講演・Ⅲ論文」の本学会分の合計点数が5年間で48点以上
③「Ⅰ出席」の中の「重点卒後教育セミナー」の出席回数が1回以上
④「Ⅱ講演及びⅢ論文」の合計点数が10点以上
⑤「Ⅲ論文」の合計点数が2点以上
III 論文 | 筆頭 | 共著 | |
内視鏡学会分 | 日本消化器内視鏡学会雑誌 | 10 | 2 |
日本消化器内視鏡学会雑誌 (Video Communication) | 5 | 1 | |
Digestive Endoscopy (Original Article, Review Article, How I Do It, Editorial) | 20 | 5 | |
Digestive Endoscopy (Case Report, DEN Video Articles) | 15 | 3 | |
Digestive Endoscopy (Letters, Techniques and Images) | 10 | 2 |
関連学会分 | 消化器内視鏡関連国内論文 | 2 | 1 |
消化器内視鏡関連外国論文 | 5 | 1 |
●学会指定関連他学会(40学会)
日本内科学会・日本外科学会・日本消化器病学会・日本癌学会・日本癌治療学会・日本肝臓学会・日本消化器外科学会・日本消化器がん検診学会 (旧日本消化器集団検診学会)・日本膵臓学会・日本胆道学会・日本医学放射線学会・日本気管食道科学会・日本ME学会・日本核医学会・日本大腸肛門病学会・日本消化吸収学会・日本超音波医学会・日本画像医学会・日本臨床外科学会・日本レーザー医学会・日本内視鏡外科学会・日本病理学会・日本外科系連合学会・日本消化管学会・日本胃癌学会・日本食道学会・日本ヘリコバクター学会・日本がん検診診断学会・日本人間ドック学会・日本総合健診医学会・日本消化器癌発生学会・日本潰瘍学会・日本門脈圧亢進症学会・日本高齢消化器病学会・日本大腸検査学会・日本カプセル内視鏡学会・日本小児科学会・日本救急医学会・日本臨床検査医学会・日本小腸学会
消化器病の指導医の条件も参考にみておきましょう。
消化器病学会指導医の条件(専門医制度規則第19条参照)
第19条 指導医認定を申請する者は,次の条件を全て満たすことを要する.
- 申請時において継続10年以上本学会の会員であること.
申請時において専門医であり,専門医の資格取得後5年以上で1回以上の専門医更新歴があること. - 専門医取得後に消化器病学に関する論文(原著,総説,症例報告)を2編以上(うち1編は「first author」もしくは「corresponding author」)を発表していること.
- 次の(1)または(2)のいずれかを満たすこと.
(1) CPC (clinico-pathological conference)、CC (clinical conference)、学術集会(医師会を含む)などへ主導的立場として関与・参加すること.
(2) 日本消化器病学会での教育活動(教育講演会講師、支部例会専門医セミナーコーディネーターなど)があること.
結論:
どこかの学会で一つでも書いておけばご自身だけなら内視鏡指導医はいけそうです。
消化器病学会の指導医条件に投稿先の規定はないので、内視鏡指導医の条件をクリアすることが大切です。
原著論文を書く場合は共著にスタッフをなるべくいれてあげましょう。