コンベックス型超音波内視鏡(EUS)トレーニング法 ・描出のコツ:記事一覧
目次
概念図の役割と、簡略化について
概念図の役割は、頭の中にEUSの地図を作るためのものです。今作成されているものは、見て覚えるもので、書くには適していません。そのため、概念図をもっとシンプルに、書くことに特化した概念図を作ってみました。これをEUSを実施する前に書いておくと、さらに学習効率が上がります。
略式EUS概念図
胃内、球部、下行部と3つ並べてます。オレンジの丸がそれぞれ回転軸で、ここを6時に持ってきてどう回すかというポイントとなる支点です。私はこの3つを1日1回トレイニーに書いてもらってます。
それぞれの略式概念図を解説していきますと、
胃内略式概念図
門脈とMPDだけとにかくわかればなんとかなります。門脈より頭部側で、右回転アップになるのがポイントですね。最尾側もしっかりアップがいります。
球部略式概念図
これは、中部胆管くらいをまず回転軸として、アップ+右回転で、頭部へ行きます。ダウン+左回転で肝門部方向へ行きます。まれに逆方向になることがありますがレアです。そして、膵管を頭部で6時キープして左回転すれば頭部になります。
胆嚢は、ここは多様性があり難しいですが100人くらい調べて80パーセントが、肝門部で(可能であれば胆嚢管を6時にして)左回転で出ますし、出なければ20%で右回転です。
下行部略式概念図
下行部観察は、前半2つとは少し考え方が異なっています。下行部は胃内や球部と違って脈管と脈管のつながりが無いので、漫画のコマ送りのようにどっちに回転するとどんな臓器が見えるかを記載しています。
ここも描出が難しく悩まれる方が多いのですが、乳頭に直接プローブ(カメラではない)をタッチさせるか、右にしっかり回して膵鉤部を描出した後に、少しずつ左回転してカメラ引いていくのが一番簡単であると思います。鉤部から左に回していくと、SMA・SMV(お箸のように並走してます)がみえます。さらに左に回すとほんのり黒い膵頭部が見えるのでこのブラックパンクレアス(腹側膵)を同定すれば、すぐにMPDやCBDは見えてきます!さらに左回転すると大動脈がみえますが、ここまで回すとカメラが下行部から抜けてしまいますので右回転に戻してください。
まとめ
上記のように文にすると解説は長くなりますが絵にするとこの1枚のみです。一度書いてみてください。
実際書いてみました⇩
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上記内容はもっと詳しく⇩にまとめております。
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