QandAでまなぶコメディカル、メーカーの方のための超音波内視鏡検査(EUS)

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しゅん

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こんにちは!「EUS channel」のブログ運営者のしゅんと申します。 O型で趣味はEUSです。某EUS・ERCP high volume centerに勤めています。

EUSが好きすぎてこのサイトを作りましたが、もともとは白黒画像のEUSになんて全く興味はありませんでした。しかしEUSを実施するにつれて、早期膵癌の発見、ソナゾイド造影の美しさ、EUSガイド下ドレナージの患者満足度の高さを知るうちにどっぷりつかってしまい、自分自身にとって無くてはならない手技・存在になっていました。また、多くの膵がんの患者様を診療する中で、早期発見のためのEUSの大切さを実感するようになりましたが、全国でのEUS普及率はまだまだ低い状況であることもわかってきました。私の目標はこのサイトを通じてEUSを世の中へもっと普及させることで、日本全国の膵がん患者の予後改善に寄与することです。駄文ですが読んでいただければ幸いです。

EUSWeb教本の目次|コンベックス型超音波内視鏡(EUS)トレーニング法 ・描出のコツ・インターベンションのテクニック

超音波内視鏡(EUS)ってなんですか?

今日は、超音波内視鏡(EUS)に最近興味をもっていただいている看護師のOさん、医療機器メーカーで突然の配置転換。EUSのデバイスについて勉強しろといわれたKさん、

EUSを受けなさいと言われた多くの患者さんのためにこの記事をかきました。

Q1. EUSってなんですか?

Q2. そもそもなんでEUSをするの?適応は?

Q3. 検査前の注意点は? 抗凝固薬は?

Q4. 検査時間は?検査の麻酔は?

Q5.   EUSやっちゃだめな人、禁忌は?

Q6. 今何してんの?画面が砂嵐にしかみえん。

Q7.   EUS-FNA(針生検)するの?しないの?どっち?禁忌は?

Q8. ソナゾイド造影するのしないの?

Q9.   略語わかりません

Q10. 患者さんがしんどい・辛いポイントは?

Q11. 手伝っていただけると助かるポイント

 

Q1.超音波内視鏡(EUS)ってなんですか?

胃カメラエコーです。胃カメラの先端にエコーがついています。

胃カメラとの違いはエコー部分がカメラにくっついていることです。

生検用の針などがでる穴(鉗子口)がついていて、

ここから針を出してエコーで見えた固形の腫瘍を刺して細胞を採取することができます。

Q2. そもそもなんでEUSをするの? 適応は?

上のシェーマは、EUSの適応となる病気や状態です。

多くの人は、検診の腹部エコー検査やCTでなんらかの異常を指摘されてEUSをするケースが多いですね。

CTやMRIとEUSの最大の違いは病変の見えやすさが違うんです。

ある論文では、

CTでは2cm以下の腫瘍は70%程度の描出率で、30%程度見落としがありますが、

EUSでは2cm以下の腫瘍でも95%も診断できるというデータが示されています。

EUSは診断精度が非常に高い検査であるといえますね。

Q3. 検査前の注意点は?

EUSは胃カメラと基本注意は同じです。

前日の夕ご飯は遅い時間でなければ、通常通り食べてもらっても問題ありません。

朝ごはんは基本絶食になりますが、検査が昼からの場合は早朝(7時)くらいにスープ類などはとってもらっても問題ありません。

内服薬も基本的に胃カメラと同様です。

糖尿病の薬は朝ごはんが絶食なので止めてください(飲むと低血糖になる可能性があります)。

血圧の薬などその他の薬はしっかりのんできてください。(緊張で血圧が高くなる方もいらっしゃいます。)

抗凝固薬(血をさらさらにする薬)を心疾患や脳梗塞で飲んでおられる方は事前に休薬するかどうか相談の必要があります。

抗凝固薬は多剤飲まれていると針生検はできません。

ですから、検査当日はできるだけおくすり手帳を持参してもらってください(検査の相談の時ももってきていただけると助かります)。

Q4.   検査の時間はどれくらい?検査の麻酔は?

EUSの検査時間は針生検をしなければ30分程度です。

状況により検査時間は前後しますが、胃カメラの時間が平均10分以内なので胃カメラより時間が3倍くらい長いです。

検査時間が長めであるため基本的にはEUSは麻酔が必要で鎮静を行います。

麻酔の種類は、静脈麻酔薬であるミダゾラム(ドルミカム®)が使われることが多いです。

施設によっては鎮痛薬であるペンタゾシン(ソセゴン®)なども併用されることもあります。

喉の反射が強い若い人は使ってもらった方がいいかもしれません。

ただし、この鎮痛薬は女性では吐き気の副作用が出やすいことがあり注意する必要があります。

検査終了後1-2時間の安静時間があります。

当日は麻酔でぼーっとしますのでクルマやバイク、自転車の運転は避けてください。

EUSは高リスクで厳重にフォローされている方は、半年毎や、毎年うける方もいらっしゃいますので出来るだけ苦痛がないように配慮したいところです。

Q5.   EUSやっちゃだめな人、禁忌は?

基本的にはあまりこの検査の禁忌はありませんが、咽頭がん、食道がん術後や消化管狭窄の方は注意してカメラを行う必要があります。

そもそもカメラが通過しない可能性がある方は禁忌といえるかもしれません。通過障害が心配な方は先に胃カメラで通過性が問題ないか見ておいたほうが無難でしょう。

Q6. 今何してんの?画面が砂嵐にしかみえん。

私も最初は砂嵐にしかみえませんでした。

でもみえると面白いので興味がある方は私のyoutubeを参考にしてください。

音声による実況解説付きです。

①胃内操作

②球部操作

③下行部操作

④EUS-FNA

Q7.   EUS-FNA(針生検)するの?しないの?どっち?禁忌は?

EUS-FNA(超音波内視鏡下穿刺吸引法)=EUSによる針生検は基本的には固形の腫瘍が対象となります。

腫瘍のかたまりを刺して、細胞を採取して顕微鏡でみることにより確定診断をつけます。

主な適応は、膵腫瘍、胃粘膜下腫瘍、リンパ節などにFNAを行うことが多いです。

のう胞やIPMNのような水の入ったふくろは基本的には穿刺しません。刺してしまうと内容液がお腹の中に飛び散る可能性があるからです。

またEUS-FNAは基本は入院検査ですることが多いです。

針生検の実施翌日に大きな偶発症(出血や膵炎、消化管穿孔など)がないことを確認して退院となります。

EUS-FNAの禁忌は

①病変がしっかりと見えていない時、

②出血傾向の場合(抗凝固内服による影響など)、

③穿刺経路に血管がある場合、

④一部の腫瘍(褐色細胞腫、傍神経節腫)

になります。

Q8. ソナゾイド造影って? するのしないの?

ソナゾイドによる造影の保険適応は現時点(2019年3月)では肝腫瘍と乳腺の腫瘍にしかありません。EUSでのソナゾイド造影は膵腫瘍などに関しては、保険適応外の使用になります。

造影をやるかやらないかですが、

検査の流れとして胃内操作⇨球部操作⇨下行部操作⇨造影EUS⇨EUS-FNA

の順ですから下行部にカメラをすすめた状態で一度確認していただいてもいいかもしれません。

どんな症例に造影が役立つのか?

造影EUSの詳細はこちらの記事を参考にしてください。⇨造影EUSの目的と診断のコツ

Q9.   EUSの略語がよくわかりません

EUSの略語集とシェーマとちょこっと解説

でシェーマ付きの略語集を作成しましたのでこちらも参考にしてください。

Q10. 患者さんがしんどい・辛いポイントは?

患者さんにとってこの検査の最も辛いポイントは、のどをカメラが超えるところでしょう。

難しい理由はいろいろあるのですが技術的な問題、カメラの構造の問題が大きいです。

ですから、検査を始める前にはしっかりと鎮静(麻酔)がきいた状態で始めたいところです。(鎮静が効きにくい方は、アルコールを良くたしなむ方、睡眠薬を良く使う方などです。事前にしっかりと確認しておく必要があります)

体位がしっかりと側臥位になっていない時も咽頭挿入が困難となります。

上向き気味になっていたら肩を引いてしっかり横向きになってもらいましょう。

また次に辛いポイントは、カメラを球部にすすめる時や下行部に進める時です。

この時カメラを大きく動かすこともあるので患者さんとしては辛いポイントです。よって、カメラを球部や下行部に進める時には早めに麻酔を少し足しておくことで苦痛が緩和される可能性があります。

Q11. 手伝っていただけると助かるポイント

のどへのカメラの挿入が最も難しいポイントである割合は多いです。顎を持っていただいたり、体をしっかりと側臥位にすることが大切です。

EUS-FNAでは、患者さんの呼吸の変動などでなかなか狙った位置に穿刺することが難しいことがありますそのため、スコープの位置を保持するために看護師様さんに場合によってはスコープをもっていただけると非常に助かります。

 

まとめ

患者満足度が高く、安全な検査のためには医師と看護師、とコメディカルやメーカーの方の協力が必要不可欠です。

なぜこの検査が必要なのか?適応はあるのか?今何をしているのか?状況を常に共有することが患者満足度や安全性の向上に繋がると思います。

 

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EUSが好きすぎてこのサイトを作りましたが、もともとは白黒画像のEUSになんて全く興味はありませんでした。しかしEUSを実施するにつれて、早期膵癌の発見、ソナゾイド造影の美しさ、EUSガイド下ドレナージの患者満足度の高さを知るうちにどっぷりつかってしまい、自分自身にとって無くてはならない手技・存在になっていました。また、多くの膵がんの患者様を診療する中で、早期発見のためのEUSの大切さを実感するようになりましたが、全国でのEUS普及率はまだまだ低い状況であることもわかってきました。私の目標はこのサイトを通じてEUSを世の中へもっと普及させることで、日本全国の膵がん患者の予後改善に寄与することです。駄文ですが読んでいただければ幸いです。

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